この度、大安禅寺にある笠原白翁の廟所改修が完了致しました。
今回の工事は、白翁の子孫である笠原健様がクラウドファンディングで支援を募り、実施に至りました。
そして7/6(日)には支援者の方々をお招きし、除幕式法要が執り行われ、無事に完成した廟所をお披露目することができました。御礼拝頂いた方、誠にありがとうございました。
施工業者として、このような貴重な廟所の工事と式典に関わらせて頂き、感謝申し上げます。
式典の様子については、大安禅寺さんのホームページに詳しくかかれていますので、そちらをご覧ください。
弊社の方では、廟所改修工事のビフォーアフターを中心にお伝えいたします。


廟所入口からの写真です。これまでは、お墓が後ろに傾いていましたが、外柵枠からお墓まですべて据え直しました。また、背面から雨水が墓石側に流れてくることを防ぐために、笏谷石の古材を利用した石積みをしております。積みあがった古材が歴史の重みを感じさせ、白翁のお墓をより引き立てています。
また、参道や墓所内に固まる土を施工しているため、歩きやすく、防草効果もあり、なおかつ美観も保たれます。


お墓を正面から見た写真です。これまでは木の根等の隆起により外柵枠が大きくずれてましたが、木の根を撤去し、外柵枠を直す際にズレ止めの金具を取付ており、今後、同様の被害を軽減します。


お墓の奥から見た写真です。左の写真で、お墓の一番下の石を見て頂くとよくわかりますが、随分後ろ側が土面に埋まっていたことがわかります。その埋まっていた分が表面に現れたため、お墓が従来より大きく感じられました。また、背面の石積みが法面の高さに合わせ、段々とした形状になっており、廟所全体が立体的な景観に仕上がりました


廟所奥には、ベンチ型の物置台も設置しました。また、花立等もすべて新品に取り替えています。こういった手が直接触れる部分は新しくすると気持ちも一新します。


墓石背面は厚手の防草シートを施工し、防草とともに、法面の保護を図ります。


入口側には、看板と歌碑が設置されました。また、元々あったヒサカキの木は形が良いので残し、看板と歌碑の背景として生かしました。
看板には、笠原白翁のお墓がなぜ大安禅寺にあるのか、今回のプロジェクトへの思いや歌碑の説明、そして聖地としての願いが書かれています。看板のデザインは今回のプロジェクトチームである、アンテナ 小林様によるものです。
歌碑には、笠原白翁の自筆による歌と、今回のクラファンにおける支援者のお名前が刻まれています。
今回の工事において優先したことは、お墓参りの際になるべく先祖を偲ぶ時間をかけられるよう、お墓の周りの防草仕様などメンテナンスフリーな環境を整え、さらに背面の石積みや法面保護を通じて、長期的なお墓の安定性を高めるよう努めました。
生まれ変わった廟所が、訪れる皆様の「聖地」として、これからもあり続けることを切に願います。
この度は誠にありがとうございました。