自社工場の強み
村上大理石は自社工場を保有しております。
日本においては、海外で石材を生産するようになって久しくなり、石材店の中には、工場をストップして販売に特化していく企業もあります。
その中、弊社は継続して製作を続け、自社工場を稼働し続けています。
そこには自社工場の強みとして、以下のようなものがあるからです。
1.工事に柔軟に対応できる。
※海外で生産された製品の抜き取り検査の様子。不具合はすぐ修正が可能。
近年は、一般的に中国などの海外にて製品を製作するため、発注から日本の現場到着まで最低1カ月はかかります。その場合に、現場の収まりや変更が発生した場合、工場をもっていないと修正がきかず最終的な工期の遅れが生じます。
特に、石は仕上材のため、工程の最後に組まれることが多く、石の工期のズレが全体の工期のズレに影響与えかねません。
逆に工場を持つことで対応に柔軟さが生まれ、セーフティネットの役割を果たしています。
また、当然ながら小ロットの工事や、短納期の工事も柔軟に対応できます。
2.製造現場が近いため、スタッフの知識が豊富
※ライブで製作の様子を見て、体感し、知ることができます。
自社工場内で加工状況や加工のし易さ・難しさをよく体験しているため、石の専門家として最適なアドバイスができます。
特に石は幅が広く、例えば”大理石”と”御影石”でも扱いが大きく変わります。
また”磨き”にするか、”ジェットバーナー”するか、磨きでも”水磨き”にするか”本磨き”にするか、など、仕上げの違いでも大きく変わります。
そういったことを日々肌で体験しているため、スタッフの知識が豊富です。
3.試作品の開発や研究開発に使用
※国産の仙台石でマントルピースを製作している様子
石というのは、地球から生まれる高級素材であり、様々な用途に利用されます。
お墓や建物だけでなく、新しい商品開発に使われたりします。
そんな時に、弊社工場内で試作品の開発やプロトタイプ、モックアップの製作が可能です。
石材加工のベテランスタッフがおりますので、コンサルティング的な活用が期待できます。
また、加工技術を転用し、石材以外の材料(コンクリート等の供試体)の切断なども可能です。
弊社の思いとしては、石材を生業として扱うものとして、既存の分野だけではなく、新しい分野への開発にも挑戦して、石の可能性を見出したいと思います。
4.福井県の石、「笏谷石(しゃくだにいし)」の保存修復
※重要文化財の笏谷石を補修している様子
笏谷石は福井県産の石ですが、現在は採掘しておりません。
文化財など取替ができないものは、現存している原形の笏谷石を修復する必要があります。
弊社では割れた部分を張り付ける「割貼補修」や、欠損した部分を作り上げる「擬石補修」、ならびに年代を感じさせる「エイジング処理」などの笏谷石の文化財を残すべく、保存技術の向上に努めております。